はてしない物語
DIE UNENDLICHE GESCHICHTE
ミヒャエル・エンデ 著 上田 真而子&佐藤 真理子 訳ミヒャエル・エンデの代表作です。現実と虚構の世界が交錯する不思議な物語です。THE NEVERENDING STORY(ネバーエンディングストーリー)という名の映画で有名ですね。あの映画の一作目ははてしない物語の前半部分で終りですけど。(もっとも、後半は第二章でやっていましたね。)しかもかなり娯楽映画として作られていたので…物語のとても深遠で奥深い部分の描写にまではいたらなかったけど見る分にはとても楽しい映画ですので。そーいえばなんか映画の方は三作目まで出てますけど…さすがに第三作目ははてしない物語の続きのシナリオを映画用に書いたもののようですが。原作の小説ではバスチアンの冒険は一度きりですからね。
前半部分
バスチアン・バルタザール・ブックスはたまたま入った古本屋で古本屋の店主が読んでいた本が気になってそれをこともあろうか盗んでしまう。そして盗んだ本を学校の屋根裏部屋の倉庫でこっそり読み始めた。そしてその本の中はこんな内容だった。
おさなごころの君が治めるはてしなく広い世界、ファンタジーエンの国では正体不明の虚無に襲われていた。ファンタジーエンの国は虚無によってどんどん侵食され、なくなっていく。そして同じくおさなごころの君は病気にふしてしまう。おさなごころの君の病気と虚無は無関係ではなかったのだ。そこでおさなごころの君の名代としてのしるし…アウリンを授けられたファンタジーエンの狩猟の一族の少年、アトレーユがおさなごころの君の病気を治す術を探して旅をする…。
後半部分
おさなごころの君の病気を直し、虚無からファンタジーエンを救えるのはおさなごころの君に名前を授けることの出来る『人の子』だった。本を読んでいたバスチアンはおさなごろの君の呼びかけに応え、ファンタジーエンへと行く。そこでバスチアンはおさなごころの君の名代のしるしのアウリンを授けられ、『汝の欲することを成せ』という言葉どおり、自分の望みを次々と叶えていく。しかし、望みをかなえる度に記憶を失っていく。そんなバスチアンを心配したアトレーユはバスチアンに幾度となく忠告を与えたりするが、バスチアンの中ではアトレーユに尊敬してもらいたいとか、もっとよく見られたいなど色々な思いが交錯して望みはバスチアンやアトレーユの思いもしない方へといってしまう…
稀に見る色々と考えさせられる話です。児童書…の分類に入るのでしょうけど十分大人の観賞にも堪えられます。というか大人だと結構色々と思うところが出てくるんじゃないでしょうか?ファンタジーエンが虚無に襲われている部分では虚無的になっている現代の人々…夢や希望、信頼や友情というのが果ててしまっている人々の心そのもののようです。
そしてバスチアンが自分の望みを叶えていく部分では…彼はそのうちファンタジーエンの帝王となろうとしましたがアトレーユにジャマされ、アトレーユを憎むようになってしまいます。しかしその後の苦難の道のりが胸を打たれます。友達を傷つけた苦しみや本当は自分はどんな風だったかすら思い出せなくなり、愛や仲間…たとえ立派でない存在でなくてもいいから…そんな思い…でも本当の望みとは何か?結局バスチアンは何を求め、何を得ようとしていたのかというのをバスチアンと共に読んでいる側でも考えさせられます。
Author&WebMaster :
Azusa
| 2003年3月11日
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| ミヒャエル・エンデ


