モルグ街の殺人事件
The Murders in the Rue Morgue
エドガー・アラン・ポー 著 金原 端人 訳怪奇小説を得意とするポーの、推理小説のジャンルを確立したと言われる作品。これはモルグ街の殺人事件以外にも六編のポーの有名な短編作品を収録してます。
余談ですけど訳者は金原 端人さん。なんだかこの方、最近の児童書やファンタジーの翻訳をものすごく数多くこなしており、私の読んだ本の十冊くらいはこの人の訳だったりします…。
黒猫
ポーの怪奇小説でも有名なもの。壁に死体を埋めるというあたりは日本のミステリードラマではよく引用されていますね。でもミステリーでなくて怪奇小説。動物好きな主人公が年を重ねるごとに変貌していく(本性が露呈していくというのかなんというのか)課程と最後の不気味な黒猫の鳴き声が印象的。
ウィリアム・ウィルスン
これも怪奇小説。同姓同名の人間に追いまわされ最後に殺してしまうけどそれは他ならぬ自分自身だったというお話。人間の二面性を二人に分かれた自分という形で表した作品ですね。。
あの、『ジキール博士とハイド氏』のスティーブンソンはこの作品の影響を少なからず受けているらしい。
アッシャー家の崩壊
視覚的な描写となんともいえない不気味さのお話。主人公の友人が鬱で今にも死にそうだから来て欲しいといって友の家に行くがそこがなんとも不気味な屋敷で屋敷自体がもうすでに死臭を放つような場所で主人公の友人はショック死して最後に屋敷自体が崩壊するというお話。
一つの一家…家系が崩壊するというあたりでゴシック・ロマンスを感じます。
赤死病の仮面
超短編小説。これも怪奇小説です。アッシャー家同様、視覚的だけどなおかつ色とりどりでそれでいて不気味な雰囲気のお話。赤死病という不気味な病気が蔓延している街から公爵の屋敷だけが隔離され、自分達だけで安全で豪華絢爛な生活を楽しんでいたが赤死病は人の姿『借りて』この人々にも病と死をもたらしたというお話。超短編ながら擬人化的な病気が印象的で不気味です。
大渦にのまれて
これは怪奇というか奇怪な出来事のお話という感じ。どんな動物でも船でも飲み込んでしまう大渦に飲み込まれたのにたった一人生き残った人が何故自分は助かったかということを語る話。このあたりで怪奇小説という感じよりもちゃんとした説明とかがあり不可解でない分、ややミステリーめいた感じがします。
モルグ街の殺人事件
これぞ本命の作品。完全なミステリーです。今時のミステリーと見比べるとテンションは低いし短いし多分かなり見劣りするとは思うけどこの時代にしては画期的だったといえるかもしれない。
不可解で不気味で怖いゴシック・ロマンが流行っていた時代に不可解な事件をより理知的に現実的に解決させていくあたりがそうだったと思います。
…思います…が、しかし…オチが…ι
多分、コナン・ドイルとか、ルブラン慣れしている人が見たらそんなに謎解きの面白みとかは感じなさそうな気がします…が推理小説の発端がこれらしいので。まぁ、黒猫とか赤死病とかの話を考えたら非現実的であって現実的で謎めいていて謎解きというのはありまからね。
Author&WebMaster :
Azusa
| 2003年4月 3日
|
| ミステリー


