ネシャン・サーガ 2 第七代裁き司の謎
Ein phantastischer RomanDas Geheimmis des siebren Richters
ラルフ・イーザウ 著 酒寄 進一 訳ネシャン・サーガシリーズ二巻。相変わらず宗教かかっているところがあるような気がしますけど、これは元ネタが聖書の士師記だったりするからだというのは最終巻の三巻の巻末訳者あとがき参照のこと。
(士師記…旧約聖書の中の王のいない時期に活躍した士師のお話。
なお、士師記の『士師』とは中国語版聖書での記述であって日本語的訳だと『裁き司』だったりする)
呪われた世界、涙の地、ネシャンで神のイェーヴォーから与えられた裁き司の印である超自然的力の宿る杖、ハシェベトを英知の庭に居る第六代裁き司のゴエルに渡す使命をおびたヨナタンは涙の地、ネシャンを解放すると言われる第七代裁き司のゲシャンの当来を待ちわびつつ、英知の庭を目指して色々な仲間と出会い、危険な旅を続ける。
このヨナタンの冒険を夢に見続けるスコットランドの足の不自由な少年のジョナサンはヨナタンの夢を見る度に体が衰弱していく…
…中盤まではかなり手に汗握る展開です。かなり正統派のファンタジーで冒険もなかなかのもの。設定も一巻の時よりもさらに手の込んだものとなり、かなりのめりこみます。
ヨナタンの意思の強さと謙虚さや弱さが主人公としてかなり好感が持てます。
一方、このヨナタンの夢を見る主人公の一人、ジョナサンは…このヨナタンの手に汗握る冒険で少し影が薄い存在になってきます。時々話の途中で腰を折る形でジョナサンの話が登場…という感じがしないでもなし…。かわいそうだけど。しかし、このシリーズの最終章(三巻)を書くにはこの話の腰を折る話を入れないといけなかったでしょう…というのは三巻を読んで初めて気が付きました。
ただ…この二巻を単独で読むと、多分、ヨナタンの話にジョナサンの話が横やりを入れているって感じがしてたまらないでしょうねやはりシリーズは通して読んだ方がいいってことでしょうけど…この辺りはシリーズは通さなくても途中で読んでも楽しい話を書くべきだ!!という方もいらっしゃるでしょうし、やはりシリーズは通して読んで全体の輪郭を少しずつ見出した方が楽しい!!という方もいらっしゃるでしょうね…
賛否両論の分かれるところ。
ただ、最後のあたり直前まではかなり夢中で読んだのはたしか。なかなかこれが面白くて。
ただ…ただ、この二巻の最終章あたりの部分が…感動を呼ぶシーンなんですけど…かなり強引というか…、
『え?そんなのアリですか?』
だったので。
苦しいですね。さすがに…ヨナタンが目に見えていた使命を全うした直後にジョナサンの最後というべきシーンが…感動のシーンのはずなのですけど…確かに感動はしたんですけど…何か少しひっかかりを感じる強引さがあったので。
このジョナサンの最後のシーンは強引に持ってこないでもっと時間をかけていればよかった気もしなくもないですけど…ただあの最後のシーン以外に描き方があったかどうかというのは…わかりませんね。
Author&WebMaster :
Azusa
| 2003年8月11日
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| ネシャン・サーガ


