The Room of Reverie
Book Report



たったひとつの冴えたやりかた

たったひとつの冴えたやりかた

出版社:早川書房
著者:ジェイムズ,ジュニア ティプトリー
価格:¥ 756

The Starry Rift

出版社:Tor Books
著者:James Tiptree

The Starry Rift
ジェムス・ティプトリー・Jr. 著 浅倉 久志 訳

往年のティプトリーの作品。ノスタルジックで古典的な雰囲気と感動を呼ぶストーリーが心地いい作品。ステレオタイプっぽいようなそうでないような感じや、センチメンタルな趣きはあるものの、読みやすく、なおかつ馴染みやすいストーリー展開でSFを読まない方にもお勧めの作品ではないかと。
(と、いうか、SFを初めて読むならこの本をチョイスすべきだったと私自身後悔。いきなりディックは苦しかった.....。)
ストーリーは中編の連作が3篇。異星人がヒューマン(人間)の『リフト(RIFT)』という場所で起こった昔のできごとの書物を宇宙の図書館で借りて読んで行くというくだりからはじまるもの。
第一話の『たったひとつの冴えたやりかた』の印象が強過ぎて他の二話(結構面白い)の印象が薄くなってしまっているのが惜しいところだけど。

第一話 たったひとつの冴えたやりかた The Only Neat Thing To Do
宇宙で偉業を成し遂げた英雄や偉人達に憧れ、前人未到の星々を巡る事を夢見て親に内緒で辺境の宇宙へ旅に出た元気で活発な十代の少女(コーティー)と、見知らぬものに憧れを抱き宇宙に旅に出た、生き物の頭の中に暮らすとても若く小さなエイリアン(シロベーン)との出会いと友情の物語。
話の読みやすさ、互いに好奇心旺盛な少女とエイリアンとの会話がとても楽しい。二人が互いにあまりよく知らない同士なだけあって、読んでいるこちらもこの二人の立場になったように見知らぬ世界に好奇心をそそられます。
ただ、後にこの二人に重大な危機と決断を迫られた時にこの二人の好奇心も将来の色々な夢も、何よりも友情も哀しくなりますが。
そして、少女(コーティー)が選んだ『たったひとつの冴えたやりかた』を別のかたちにしろ、自分が選べるかどうかはわからないけど。

第二話 グッドナイト、スイート ハーツ Good Night, Sweethearts
過去に宇宙で起こった戦争で戦い、今は独立して宇宙のサルベージ船の船長をしている男と初恋の女性との再開の物語。
センチメンタル.....、という言葉がよく似合う話....かな?とか思ったり。
ただ、途中での戦闘などがあったり盛り上がり箇所がちゃんとあったりするのだけど(ただ、戦闘までの所までだとちょっとありがちな話っぽいのだけど.....。)オチがちょっぴり切ないかな....?
ハッピーエンドしきらないところが逆に良かったと、個人的には思ったり。

第三話 衝突 Collision
ヒューマン(人類)と異星人との緊迫したファースト・コンタクトの物語。
見るべき所は互いに言葉が通じない状態で全面戦争の危機が迫っている間にやや偏見とプライドを持っている言葉がろくに通じない異星人の船長と人類の船長との緊迫したやり取りとコミュニケーションでしょうか?
危機が迫り、ハラハラさせながらコミュニケーションが上手く取れない、言葉の通じないそんな場面の微妙な部分まで描写されながらもテンポ良く話が展開していくのが面白かったです。

....で、結局この本、最語まで私にとっては結構ツボだった話でした。
あー、面白かった。

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Author&WebMaster : Azusa | 2005年1月 2日 | | ジェイムズ・ティプトリー・Jr.


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