スは宇宙(スペース)のス
出版社:東京創元社
著者:レイ・ブラッドベリ
レイ・ブラッドベリ著,一ノ瀬 直二訳
タイトルを見るとSFかと思いそうになるけど、読み始めるとファンタジーなのか、SFなのか、またそのどちらでもあるのか、そういう区分や区別が付かないような、そんな作品を書くブラッドベリが自身で編纂した短編集。
ヴェルヌはぼくの父親、ウェルズはぼくの賢明なる伯父さん、ポオは蝙蝠の翼をもった従兄弟、シェリー夫人はぼくの母親だったこともある
という著者の前書きの通りに、様々な作家(特に怪奇小説・冒険小説・ミステリー等々)の影響を受けた有様がよく判る。どの作品にもよくよく見ると先人の影響の跡が見え隠れしている。だけど、やっぱりブラッドベリ自身の感性や独自の視点などが多分に盛り込まれていて、結果、独特の世界観漂う妙な話の集まりに仕上がっている。
目に見えない力などが働いた不可思議な話や、どうしようもなくなった未来の話等々。特にブラッドベリは子供を題材にした話を良く書いていて、悪意はないが考えが浅い故に残酷な子供の無邪気さが引き起こす黒い話などがいくつかあった。
あと、この短編集は全体的にちょっと黒い。
黒さで行けば、皮肉と悪意と悪夢と残酷さがメインで、話のどうしようもなさと救いようの無さで「黒いカーニバル」の方が一枚上手だけど、こちらもほどほどに黒さが滲んでいる。
ブラッドベリの本はいくつか読んだけど、この作家の基本路線は怪奇なファンタジーなんじゃないかという認識が私の中で出来上がりつつあるような、そんな作品だった。
Author&WebMaster :
Azusa
| 2007年11月29日
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| レイ・ブラッドベリ


