The Room of Reverie
Book Report



シャーロック・ホームズで読んだ本

バスカヴィル家の犬 (シャーロック・ホームズ)

バスカヴィル家の犬

出版社:新潮社
著者:コナン・ドイル
価格:¥ 460

The Hound of Baskervilles
アーサー・コナン・ドイル 著 延原 謙 訳

シャーロック・ホームズシリーズ第五弾。長編です。
この話はそれまでのホームズの話と少し毛色の違う展開をします。
なかなか全貌を見せない展開で首尾一貫してストーリーが淡々と進みます。
それに伝承や得体の知れないバケモノという…事件らしからぬ物語の背景があり、ミステリーというよりもゴシックロマンを感じさせる展開で…こういうのはそれまでのホームズの話ではあまり見れない雰囲気です。
ホームズの話の中でも名作で…ミステリーの中で有名な物語として知られてますね。
ただ、古典作品なのでミステリーを読み漁られた人にはトリックや展開が少し物足りないかもしれないけど…。

この話はワトスン博士が事件現場に赴いて先頭を切って行動をし、ホームズがほとんど表立って出てこないという展開です。
まぁ、実際はホームズは陰で動いているのですけどね。
沼地という陰鬱な特殊状況下での魔犬の伝承の絡んだ謎の殺人事件と不審な人々。
淡々とワトスン博士は変わる周りの状況や人物達の様子を刻銘にホームズに電報で知らせたり、このホームズ譚(シャーロック・ホームズの話はワトスン博士が書いている事になっている)に書き記していくという感じで。
話の状況が魔犬という伝承というのに彩られ、事件と思えない奇怪な展開をしていきます。
周りの状況の奇怪さもそうですが捜査と犯罪がリアルタイムに進んで行くのが面白いです。二の手三の手を尽くしてホームズの指示を受けてワトスン博士が動く様もなかなかの見所。この話のワトスン博士はよく動くのです(笑)
まぁ、トリックを見るとしごく簡単なのですがやはり雰囲気ですね、伝承と沼地という目くらましを食らった形で先が読めないんですよね。
私が読んできたホームズの話の中では一番サクサクと読めてドキドキさせられた話でした。

Author&WebMaster : Azusa | 2005年3月22日 | シャーロック・ホームズ


シャーロック・ホームズの思い出

シャーロック・ホームズの思い出

出版社:新潮社
著者:コナン・ドイル
価格:¥ 540

The Memoirs ofSherlock Homes
アーサー・コナン・ドイル 著 延原 謙 訳

新潮文庫刊 シャーロック・ホームズシリーズの4弾にあたります。短編集ですね。
名作の『ギリシャ語通訳』などが載ってます。
ドイルはこの本でホームズを葬らせるつもりでいたらしいけどその後に読者の声援を受け、見事復活したのは有名な話。
新潮社版は文庫本の関係上、本来のシャーロック・ホームズの思い出(The Memoirs of Sherlock Homes....どうもオリジナルのホームズがネットの検索に引っかかりにくくい....。)より『The Reigate Squires(ライゲートの大地主, 新潮文庫刊 シャーロック・ホームズの叡智に収録)』が割愛されてます。

白銀号事件 Silver Blaze
調教師が殺され、『白銀号』という馬が失踪する話。
まぁ、"犯人自業自得自爆事件"の一つですか?
しかし、ホームズも自滅したことまでよくもまぁ推理できたものですね。
(ワトスン博士は相変わらず実況解説兼傍観者でしたが。)

黄いろい顔 The Yellow Face
シャーロック・ホームズ第二の汚点のの事件。
ホームズが状況証拠のみで推理して見事に推理が外れた事件。
ノーバリの別荘に奇怪な黄色い不気味な顔の男だか女だかわからない人間が越して来たという話。
しかも真相(オチ)が見事に読んでいる側(と、ホームズ)の意表をつくものだったのも見物でしょうか?
さすがのホームズも慢心してしまうことがあるのですね。
最後に『これからさきもし僕が、自分の力を過信したり、事件にたいしてそれ相当の骨折りを惜しんだりするようなことがあったら、ことこと僕の耳に『ノーバリ』とささやいてくれたまえ。』
....謙虚です。わたしもかくありたいものですね(笑)

株式仲買店員 The Stockbroker's Clerk
ワトスン君が『私が結婚後まもなく....』からはじまる話。
話の内容よりも『ワトスン博士ってまだ新婚???ってか、一体何回結婚したんでしょう???』なんてくだらないことを一瞬考えて...
...まぁいいでしょう。
とにかく金庫破りの話です。
犯人が一応、綿密な計画の下で行おうとした...
ただ、『赤髪組合』の話とよく似てるなぁ~とか思ったり。まぁ、ホームズらしい普通の事件ってカンジかなぁ??

グロリア・スコット号 The "Gloria Scott"
一応暗号文モノの内に入るのかな...???
ちんぷんかんぷんな文章で周りの人間が慌てふためく話。
...ホームズはあまり動揺もしていなかったけど....。
まぁ実際は暗号文でもなんでもなくただの『達筆過ぎた文章』だったようだけど(笑)
....これが英語で見れたらもっと面白かったんだろうなぁ~??
と、母国語を英語としている方々をうらやんだりして?

マスグレーヴ家の儀式 The Musgrave Ritual
宝物の隠し場所が書かれた紙
詩のような文章で指し示められた宝の場所....というまぁ、古典的なトリックの話です。
(シャーロック・ホームズ自体古典なのでねぇ...こういうベタなネタもアリでしょう。)
まぁ内容的には財宝探しと女の復讐劇。
女は男が絡むと財宝よりも復讐を選ぶのですね...
まぁ気持ちはわかりますが。

背の曲がった男 The Crooked Man
またワトスン博士の『私の結婚後2,3ヶ月たった....』から始まってます。
一体どれだけ新婚気分なんでしょう??(笑)
まぁそれはともかく、この話は死んだと思った思い人が実は生きていた!!
という話。
帰ってきたら別の男と結婚していた~。
という、実に古典的な内容。
(何度も言うがホームズは古典ですね。ベタなのはその為。)
ただそのベタな展開の内容がすぐに分からないのがミステリーの醍醐味。

入院患者 The Resident Patient
神経質な入院患者の話。
何かに怯えてるのか、やってくる見知らぬ客人にはピストルを向けるという...。
でもこの入院患者の恐怖のウラでは綿密たる犯人の(まぁ警察でも有名な犯罪者)の準備と犯行の実行が....
まぁ警察はホームズのおかげで犯人特定までいけたのはいいけど掴まえきれないのが....
....探偵モノの中に出てくる警察ってショボイですねぇ....
(まぁそうしないと主役が目立たないですが。)

ギリシャ語通訳 The Greek Interpreter
ホームズの兄のかの有名な『マイクロフト・ホームズ』
(ローバート・A・ハインラインの名作SF月は無慈悲な夜の女王に出てくる人工知能たるコンピューターの名前もマイクロフト・ホームズでしたね。)
が登場する話。
シャーロック・ホームズが兄に助けを求めてそれでも解決しきれなかった事件の一つです。
最後の毒の香(煙???)で助けたい人物をホームズ達が助けに行くシーンなんかは…私、ドラマで見ていたのですけどなかなか緊迫感がありましたね。
でも助けられたのは一人だけですけど。
解決できなかったからこそ私が今まで見た短編のホームズの中でもなかなかの秀逸な作品だと思います。

海軍条約文章事件 The Naval Treaty
いや、短編の中では結構長めの話なのだけどこの前後の物語(ギリシャ語通訳,最後の事件)の方が印象が強いので内容を綺麗さっぱり忘れてしまったという(爆)
いや…文章強奪事件だった(と、思う)。政治がらみなので大きな事件だったのだけど…今、読み直したけどイマイチ頭に入ってこない…すまん。(感想になってない)

最後の事件 The Final Problem
一応、これが最後の事件になるはずだった(過去形)の話。
ここでホームズは死んだことになっているハズだった(過去形)。
アンダーグラウンドのボス、犯罪のスペシャリストのモリアティ教授との対決。
ただ、そのモリアティ教授自体はホームズの事件の記録を執筆(していることになっている)ワトスン博士の目にほとんど止まってなかったので容姿などはイマイチ不明。
話はただただホームズが彷徨うのをワトスン博士が残された手がかりで追いかけるという内容なのでワトスン博士が最終目的地…モリアティ教授とシャーロック・ホームズの対決場所に来たころには全て終っていた(ホームズは滝つぼに落ちた!!という証拠を残して失踪)という…
なんだかイマイチオチがしっくりこないのでこの後やはりホームズの話は続いたりして。

Author&WebMaster : Azusa | 2005年3月21日 | シャーロック・ホームズ


シャーロック・ホームズの冒険

シャーロック・ホームズの冒険

出版社:新潮社
著者:コナン・ドイル
価格:¥ 580

The Asventures ofSherlock Holmes
アーサー・コナン・ドイル 著 延原 謙 訳

シャーロック・ホームズシリーズ第三弾。短編集です。
別段、大きな事件、とりわけ殺人事件のみが事件じゃなく、他にも不可解な事件やスキャンダル等々色々。見ていて飽きません。
ちなみに今回読んだのは新潮社版のシャーロック・ホームズの思い出で、文庫本の制限上本来の原書か二編ほど割愛されてます。

割愛された二編:
The Adventure of the Engineer's Thumb[技師の親指]
The Adventure of the Beryl Coronet[緑柱石の宝冠]

いずれの作品は(他の新潮社文庫版のホームズの短編集で割愛された分も含めて)シャーロック・ホームズの叡智: 新潮文庫に収録されてます。
ボヘミアの醜聞A Scandal in Bohemia
いきなり始まる物語はあの、カミソリのような推理力のホームズが犯人に出し抜かれた話。しかも女に。
ボヘミアの王様の愛人の女性とのスキャンダルの話だけどホームズ以下、しっかりと出し抜かれてしまった。
失敗するんですね…彼でも。

赤髪組合The Red-Headed League
赤い髪の男達を呼び寄せてひたすら大英百科事典の模写をする仕事を与えられた男の話。
なんでそんな仕事(しかも赤髪限定)かっていうあたりがミソ。
結局大きな犯罪を行なうための準備に過ぎなかったのだけど、その奇怪な仕事の話から持ち前の推理で大きな犯罪を突き止めたホームズに乾杯。

花婿失踪事件A Case of Identity
結婚詐欺の話。
結婚を約束した男が突然失踪、その行方を追う事になったホームズだけどその失踪した男の正体がなんとも…(その男の正体というオチがミソ)
いやはや、ホームズも『冷血無情の悪党』と、煽ってました。
たしかに男の正体が…ね。

ボスコム谷の惨劇The Boscomde Valley Mystery
やっと殺人事件。
いや、殺人事件だけがホームズの探偵業の範疇でないのは先先承知の事として、この話は一応普通の殺人事件。でも犯人不明、警察当局は無実の青年をとらえて犯人扱い。
そこで殺人現場でホームズが綿密な調査と聞き込みをして真犯人を見つける…
…と、まぁけっこうお約束の話だけど真犯人は…まぁ弱者でホームズも
『運命はなぜこうも弱い人間に悪戯するのだろう?』
と、言わしめていました。

オレンジの種五つThe Five Orange Pips
…裏切り者に制裁を加える時にはオレンジの種五つを事前に当人に送りつけるという薔薇十字団とか、フリーメイソンとかを彷彿させるコワイ話。
着眼点もさることながら、解決不能の事件の一つとなってました。
…ちょっとホームズが相手にするには組織が手ごわすぎたかな…??

唇の捩じれた男The Man with the Twisted Lip
深刻な話からちょっと笑える話まで色々アリがホームズの話だけどこの話はちょっと笑える話。
…というか、ルンペンに扮してお金集めという話の着眼点が意外で意外で…。

青いガーネットThe Adventure of the Blue Carbuncle
青いガーネット…というタイトルになっているけどメイン鳥、鳥、鳥の腹の中に宝石がっっ!!
…という話。
まぁ、犯人が隠していたんでしょうね。
わりに正統派?チックな話です。

まだらの紐The Adventure of the Speckled Band
巧妙なトリックの事件の話。しかも事件が現在進行形で進んでいくので『ああ、ピンチー!!』と、ハラハラさせてくれました。
まぁ、わりに有名な短編ではないかと思うのですが。

花嫁失踪事件The Adventure of the Noble Bachelor
花嫁が結婚式の最中にいなくなった!!
…古典的なネタであり話です。
…いえ、シャーロック・ホームズ自体が古き良き古典で、後世の多数の物語に影響を与えているのを感じさせる逸話であると思います。

椈屋敷The Adventure of the Copper Beeches
椈屋敷と呼ばれる邸宅で座敷牢に閉じ込められた娘の話。
ゴシック・ロマンスチックな展開の話ですね。
ホームズの中の話は殺人事件から珍事件、怪事件まで色々あるけど時々こういった情のなくなった親子の話が出てきます。
まだらの紐もそうだけどこれもそうですね。


しかし…ホームズの物語の中にはさまざまな人間模様が描かれていて見ていて飽きません。

Author&WebMaster : Azusa | 2004年10月15日 | シャーロック・ホームズ


四つの署名 (シャーロック・ホームズ)

四つの署名 新潮文庫

出版社:新潮社
著者:コナン・ドイル
価格:¥ 380

The Sign of Four(Sherlock Holmes)
アーサー・コナン・ドイル 著 延原 謙 訳

シャーロック・ホームズシリーズ第二弾にして二作目の長編。
一作目の『緋色の研究』で反響がなく、後にアメリカで出版したところ、大いにウケたのでこの二作目を書くことになったらしい。


この話はいきりなりホームズがコカインを吸うシーンから始まります。児童向けのシャーロック・ホームズでは改変されて消されてしまうシーンですね…。
(児童書版のシャーロック・ホームズは内容の改変が激しいので『○○訳』という記述はどうかと思うのだけど…。ああいうのは『○○編訳』とした方がいいと思うのだけど…。もっとも、児童向けなので少年少女がそのようなことにこだわったり、気がついたりはしないと思うけど…。)
事件に携わり、解決していくホームズの仕事柄ではちょっと想像つかないシーンなので驚きです。
だからといってホームズは実はあまりよくない人…とは言えないのだけど。実際それは『シャーロック・ホームズの思い出』で現れていて、犯罪抑制と正義の為に命をかけることも惜しまない人…なんですけどね。
まぁ、それはともかく、この『四つの署名』でホームズ、ワトソンのコンビネーションが確立した…という感じです。
事件内容としては前作も復讐劇でしたが今回も復讐劇。
四つの署名(サイン)の書かれた何かの地図の紙を巡って殺人事件が起こる話だけど、事件の奇怪さは物語的に必要だから仕方ないとして(でも、時々『現実は小説よりも奇なり』ってこともあるけど。)ホームズの話は知的で理論展開がすばらしい。古い話と思ってなめてかかるといけないですね。
それと物語としての犯人の心理描写…何故そのようなことになったのかという部分も面白い。
謎だらけと言って読む方が頭を抱える必要ないし、サラリと話を進め途中で退屈させないところがこの作品のいいところだと思いますね。
途中で飽きさせないからオチが分かったらそれだけで読んだ気になるというよくあるお約束(ミステリーに限らないけど…まぁ、オチがわかったらつまらないってどうしようもないですよね…)はこの作品には感じなかったですね。
いや、別に犯人が最初に知りたくて後ろから読んだわけではないけど…。(念のため。)

Author&WebMaster : Azusa | 2004年8月 8日 | シャーロック・ホームズ


緋色の研究 (シャーロック・ホームズ)

緋色の研究

出版社:新潮社
著者:コナン・ドイル
価格:¥ 380

A Study in Scarlet(Sherlock Holmes)
アーサー・コナン・ドイル 著 延原 謙 訳

コナン・ドイル作のホームズシリーズの一作目にして長編の話、ワトソンとホームズの出会いから始まる話ですね。
これを執筆した時のドイルは売れない開業医で暇をもてあましていたらしい。で、意を決して書いたのがこの緋色の研究(原題: A Study in Scarlet)で、自信を持って世に出したのにまったく反響なし、全然受けなかったらしい。
でも、まぁ、後になって米国で出してみれば受けたあたり、どこかの有名な児童書と通じる部分がなきにしもあらず…

この話は戦地からイギリスに帰って来たワトソンがいい下宿はないかと探していたらシャーロック・ホームズという変わり者がいて、部屋をもてあましている…
という話からワトソンのシャーロック・ホームズとの共同生活が始まるわけで…
で、変わり者というのが血一つで延々研究室に篭って研究するという人間で(だからタイトルが"緋色の研究")それが全て犯罪を暴くための研究…という、それまで類を見なかった人種で(今ならいますが)後々ホームズが生業としている探偵の仕事…事件が舞い込んできた時にその研究の成果とホームズの類稀な洞察力にワトソン博士は舌を巻いたりしたわけで。
事件の方はというと…そんなに難しい事件でもないです。でも、話の展開が面白いのでエンターテイメントとしては最高の部類だと思います。
初めてミステリー読むには最適ですね。

Author&WebMaster : Azusa | 2004年8月 6日 | シャーロック・ホームズ


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