The Room of Reverie
Book Report



レイ・ブラッドベリで読んだ本

スは宇宙(スペース)のス


スは宇宙(スペース)のス

出版社:東京創元社
著者:レイ・ブラッドベリ

レイ・ブラッドベリ著,一ノ瀬 直二訳

タイトルを見るとSFかと思いそうになるけど、読み始めるとファンタジーなのか、SFなのか、またそのどちらでもあるのか、そういう区分や区別が付かないような、そんな作品を書くブラッドベリが自身で編纂した短編集。
ヴェルヌはぼくの父親、ウェルズはぼくの賢明なる伯父さん、ポオは蝙蝠の翼をもった従兄弟、シェリー夫人はぼくの母親だったこともあるという著者の前書きの通りに、様々な作家(特に怪奇小説・冒険小説・ミステリー等々)の影響を受けた有様がよく判る。どの作品にもよくよく見ると先人の影響の跡が見え隠れしている。だけど、やっぱりブラッドベリ自身の感性や独自の視点などが多分に盛り込まれていて、結果、独特の世界観漂う妙な話の集まりに仕上がっている。
目に見えない力などが働いた不可思議な話や、どうしようもなくなった未来の話等々。特にブラッドベリは子供を題材にした話を良く書いていて、悪意はないが考えが浅い故に残酷な子供の無邪気さが引き起こす黒い話などがいくつかあった。

あと、この短編集は全体的にちょっと黒い。
黒さで行けば、皮肉と悪意と悪夢と残酷さがメインで、話のどうしようもなさと救いようの無さで「黒いカーニバル」の方が一枚上手だけど、こちらもほどほどに黒さが滲んでいる。
ブラッドベリの本はいくつか読んだけど、この作家の基本路線は怪奇なファンタジーなんじゃないかという認識が私の中で出来上がりつつあるような、そんな作品だった。

Author&WebMaster : Azusa | 2007年11月29日 | レイ・ブラッドベリ


黒いカーニバル

黒いカーニバル


出版社:早川書房
著者:レイ ブラッドベリ

レイ・ブラッドベリ (著) 伊藤典夫 (訳)


大御所、レイ・ブラッドベリの初期短編集。
幻の短編を集めて収録した本らしい。それ故か、かなーり、イワク付きの話が山盛り(爆)
はっきり言えば、微妙に黒くて微妙にホラーで大方の話がアンハッピーエンドで、オチがついてない話はあるし、微妙に何が言いたいのか判らない話はあるし、ただ、ブラッドベリらしさはたしかにあるのです。それに、見るべき部分も大いにある。それに、一作一作は大したダメージでもないし、「ああ、暗い話だねぇ」で済むのだけど、済むのだけど。
これが20編以上も続くと食傷気味になって疲れ果てるのも確か。
まぁ……ラスト三編くらいは(微黒いけど)良い話も入っているのですけどね。
「戦争ごっこ」なんかは、最初は戦争に出ている癖になんて悪ふざけた話だって思ったけれど意外にそうでもなかったし、これもアリかーと、ちょっとほほえましくなった。

しかし、最後の「児童公園(遊園地)」は参ったなぁ……
子供の遊び場である公園を地獄のように描き、子供達を残酷でえげつなくて無知で野蛮で臭くて汚い怪物のように書いて、さらっと話を終わらせる辺り、凄いといえば凄い。どこからそんな考えが浮かぶのだろうという感じ。

で、なんだかんだ言って最後まで読んだけど、ふと思った事。
「この本はもっとブラッドベリの作品を読んでから読むべきだった」
二人がここにいる不思議あたりを夢見て読むと手痛い。慣れてから読んだ方が良かった。

平気な人は平気だろうけど。

Author&WebMaster : Azusa | 2007年10月 5日 | レイ・ブラッドベリ


二人がここにいる不思議

二人がここにいる不思議
出版社:新潮社
著者:レイ ブラッドベリ
価格:¥ 740

レイ・ブラッドベリ (著) 伊藤典夫 (訳)


SF界の大御所、レイ・ブラッドベリの短編集。
この本はSFというよりむしろファンタジーの方が多いですね。
出版社もハヤカワとかでなく新潮社ですし。
でも、訳はSF界で有名な翻訳家の伊藤氏ですけれど。

内容はというと、幻想的なお話やコミカルなお話、ホラーにラブストーリー、しんみりした話と、何でもありですけど、基本的には「奇妙な話」が多く、あと、子供のいたずらのような話だとか、情緒豊かな雰囲気が漂ってます。このあたり、ブラッドベリの特徴でもありますけど、作家としてかなり成熟してから出した本のせいか、ハズレという話がなく、逆に多種多様な題材を遺憾なく書ける多才さが凄いと思う。
個人的には表題作の「二人がここにいる不思議」と一番最初に収録されている「一生涯に一度の夜」あたりが季節や情景を感じさせ、人の一生というのを感慨深げに思わせてるのが良かった。
ほか、エジプトミイラのお話(ストーンスティル大佐の純自家製本格エジプト・ミイラ)の子供のような悪ふざけは見ていて中々痛快だった。

またこういう短編があれば読みたいものだなぁ。

Author&WebMaster : Azusa | 2007年10月 5日 | レイ・ブラッドベリ


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