リンの谷のローワンで読んだ本
ローワンとゼバックの黒い影
ROWAN AND THE ZEBAK
エミリー・ロッダ 著 さくま ゆみこ 訳リンの谷のローワンシリーズ第四巻。このシリーズの話は特に魔法とかがあるというわけでなくいので少し盛り上がりに欠けているかなぁ…という気がしていたのですけどこれは話がスリリングで面白いです。何せ二日で読んだ。(多分時間があったら一日でも読めたと思う)
リンの谷のローワンは村に襲いかかる数々の危機を救ってきた。大人しい家畜のバクシャー係りという子供でもできる仕事しかできない貧弱な少年として役立たずとして扱われていたが近頃では村の人々から尊敬をされはじめるような感じになってきた。しかし当の本人はやはり気弱で大人しい少年。
ある日、母が新しい夫と再婚することになって村では盛大なお祝いをすることになった。そんな時にローワンの胸中ではなにか不吉なことが起りそうな予感と不安で渦巻いていた。でもこんな祝いの席を壊すような不吉なことを言うわけにもいかずにずっと押し黙っていたら家畜のバクシャーたちが警戒して牧場で円陣を組んでいる。何かがおかしいと思った瞬間、空からトカゲのような生き物が舞い降りてきてローワンの妹をさらっていった!
ローワンの妹をさらっていったのはタイトルが物語っているようにゼバックの家畜というか戦闘用の空飛トカゲです。(けっこう大きい…感じ的にはドラゴンっぽい)ゼバックのグラッグ…翼を持つ爬虫類ですけど、戦闘用の荒々しい獰猛なグラックと農作業用の穏やかなグラック…これもこの話の中で一貫していろいろなことを考えさせてくれます。冒険のはじまりと終りはこの二種類のグラックによって進んでいましたからね。
…で、ひ弱なローワン君だけど妹を救う為に単身ゼバックの本拠地に乗り込もうとします。この当りがローワンのことをひ弱とは言い切れない勇気のような気がします。リンの谷の人々は勇猛果敢な人々が多いですけど(故に大人しいローワンは異端児扱い)知恵が足らないし諦めも早い人々っぽいのでローワンの勇気はすごい…というふうに感じます。
そして今回は最初の魔法の地図と違って本当にローワンのことを思いやり、力になろうとする信頼できる旅の仲間が加勢します。それからやっぱりシバのおばあさん(村の賢女…というかあれは魔女だな)がシリーズを通して相変わらずいかがわしい知恵を詩に託します。これが曲者なんだよなぁ…。でもこれが冒険するための予知というか警告というか知恵…ヒントなのです。
まぁ読者の人はこれの謎解きはしなくても賢いローワン君が頭を回転させたり、行動したりして詩の内容を証明してくれますが。
Author&WebMaster : Azusa | 2003年2月28日 | リンの谷のローワン
ローワンと伝説の水晶
ROWAN AND THE KEEPER OF THE CRYSTAL
エミリー・ロッダ 著 さくま ゆみこ 訳リンの谷のローワンシリーズ三巻です。途中で居眠りぶっこきながら読みました。いえ、別につまんなかったってわけではありません。睡魔に勝てなかっただけなのです。本当ですよ?
リンの谷のにある日突然海辺の民のマリスからの使者がやってきました。使者が持ってきた話は『水晶の司が死にそうだ。次期水晶の司を選ぶために選任役の人に来て欲しい』というものでした。その選任役というのが他でもないローワンの母とローワンだったのです。当然ローワンは『そんなの聞いてないよ!』だったのですけど母親から選任役は何たるかを延々聞かされて(水晶にはすごい力があってそれを持つ者を選ぶ選任役は妬まれて狙われたり網に入れられて海に放り投げられたり、毒殺されたり色々な目にあうらしい)結局いくハメになります。
リンの谷のローワンシリーズで一番面白かったです。ええ、ウソではありませんよ?そりゃ途中で何度も居眠りしたのは否定しませんがそれは安らかな気持ちで物語を読めていた証拠ではありませんか?
とにかくこの話、また詩が話の中心になってきます。そう、詩。一巻では地図にまつわる詩、二巻でも詩。三巻でもまた詩です。母親が毒を盛られてその時の解毒剤の作り方がまた詩なんですよ。水晶の司の選任役はどうなったの?とか聞きたくなりましたがローワンにとってはそんなことよりも母の命を救う方が大事らしい。まぁ読んでいれば分るのだけどそもそも水晶の司選びに命をかけなきゃいけないこと自体がアホらしく見えるんですよ。大体なんで選ぶ人が命がけ?みたいな?可哀想にちっちゃなローワンは命がけで母の代わりに選任役にならなきゃいけない。母親が毒殺されそうなのに。こういうやりきれない部分とかが面白かった…って言ったらローワンが可哀想かな?
Author&WebMaster : Azusa | 2002年11月 5日 | リンの谷のローワン
ローワンと黄金の谷の謎
ROWAN AND THE TRAVELLERS
エミリー・ロッダ 著 さくま ゆみこ 訳 ローワンとリンの谷シリーズの二巻目です。 前巻でリンの谷を救ったローワンですが、今度はリンの谷が正体不明の眠り病に襲われ次々と村人達が眠ってしまいます。それなのにローワンだけがこの眠り病にかからなかったのです。眠り病の正体を突き止めるため、旅の人と手を組むローワン。そして行った先にあったものは……?英語版のタイトルの"ROWAN AND THE TRAVELLERS"(ローワンと旅の人)が物語っている通り、旅の人とローワンが物語のメインです。
前回の冒険でとてもおいしいヤマイチゴを手に入れたリンの谷の人々ですけど、そのヤマイチゴを旅の人の民に盗られたくないあまり、旅の人の民に村の中には入らないで欲しいといいますが、結局はこのヤマイチゴこそ、村人の眠り病の原因で人の浅ましさが破滅を誘ったということが語られてます。
ちょっと説教じみていて(児童書だから仕方がないといえば仕方がないですが)話の結末が最初から見えてしまっていたのが惜しいですが、二時間程度で読める軽快さが良かった。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年10月14日 | リンの谷のローワン
ローワンと魔法の地図
ROWAN OF RIN
エミリー・ロッダ 著 さくま ゆみこ 訳ローワンと魔法の地図、というタイトルから魔法使いがうじゃうじゃ出てくる話と思ったら魔法は地図だけでした……
ローワンの住むリンの谷では川の水が流れなくなって家畜のバクシャーが日に日に弱っていってしまう。
川の水源は山にあって、そこで何かが起っているとにらんだ住人は村の中から屈強な者達が集まり、危険な山に行くことになりました。そんな中、村で物知りのお婆さん(偏屈らしい)からローワンが触れないと見ることが出来ない山頂までの魔法のかかった地図をわたされて、臆病なローワンも一行に加わることに。
このお話は村の屈強な者=七人の勇者というものが登場しますけど、会話を聞くとかなりまとまりの悪い勇者で(単なる自分勝手な田舎者にも見える)彼らは途中途中、つまらないことで一人一人と挫折していくんですよね。
頑強な男が蜘蛛恐怖症で蜘蛛を見ただけで逃げ出したり、かなづちの男が泳げないのでリタイア、勇気のありそうな女の人が閉所恐怖症で洞窟のせまい場所がいけないのでギブアップ。あり得ないほどダメダメで落伍者が出る始末。どんなに勇気があるように見えてもいざというときは人は脆い……というか、この七人の「勇者」って本当に勇者なのか?
結局一番臆病で一番役に立ちそうにないローワンが最後の竜に立ち向かう(別に戦ってないんですけど)人は意外なところで勇気が試されるんですね。結局この冒険って見た目は勇敢に見える人々よりも真に勇気あるのは一番臆病に見えたローワンでした、ってことなんでしょうか。それとも全員ローワンの活躍の為の犠牲?
いや、それはそれで面白いのですが(笑
Author&WebMaster : Azusa | 2002年10月 4日 | リンの谷のローワン




