ファンタジーで読んだ本
ゲイルズバーグの春を愛す
出版社:早川書房
著者:ジャック・フィニイ
ジャック・フィニイ(著) 福島 正実 (訳)
異色ファンタジーの短編集。
ネットの知人に薦められてられて読んだ話です。
SFとファンタジーの中間という感じの何とも妙な雰囲気の短編が入ってます。
短編集なだけに皮肉が混じった話から切ないラブロマンスまで色々そろっていますが、大体が奇妙な力が働いて昔の時代のものが甦ったり、ほんのわずかの間やごく一部の場所だけ過去の時間に逆戻りしたりという感じのお話だった。
懐旧と郷愁という言葉がよく似合うお話ですね。
作品事態もわりと古いですが、作品内の世界がさらにまた古い思い出に浸って、昔を懐かしみ、古き良き時代を良い思い出として甦らせている、そんな印象。
現実逃避や懐古趣味と皮肉を言いたくなる昨今ですが、たまにはノスタルジーも悪くないかなと。
Author&WebMaster : Azusa | 2007年9月30日 | ファンタジー
クラバート
KEABAT
オトフリート・プロイスラー 著 中村 浩三 訳チェコ生まれの有名なドイツ児童作家プロイスラーがドイツのクラバート伝説を元に書いた入魂の作品。気合を入れて書かれたのに大どろぼうホッツェンプロッツの方が有名じゃないのかって気もしなくもない。たぶん大どろぼう…(以下長くて打ち間違えるので略)の方がノリが軽くて読みやすいためだと思うけど。
…が、しかし、1972年のドイツ児童図書賞を取っていたり、1973年のヨーロッパ児童文学賞を取っていたりする作品です。
クラバートは悪友と共に東方の三博士(東方の三賢者と言った方がいいでしょう。キリストがベツレヘムで生まれたときに訪れた三人の預言者。バルタサル、メルキオル、カスパルの三人のこと。)に扮してあちらこちらで頂き物をしては暮らしていた。ある日、クラバートは『シュヴァルツコルムの水車場に来い。お前の損にはならぬだろう!』という夢を見た。クラバートはそれがとても気になって悪友たちを残してシュヴァルツコルムの水車場へと行く。そして訪れた先の水車場で出会ったのは水車場の職人たちとそして片目の親方。そしてクラバートはその水車馬の粉ひき職人の見習いとして働いて、そして魔法を習うことになった!!
何故、水車場の粉ひき職人が魔法を???なんて疑問がよぎります。しかもこの水車場が恐怖館さながらの不気味なところ。そう、不気味で異様な設定に意外な展開の話です。でも話は込み入ってなくて余計な横線や伏線無しなのに謎だらけ。それでいて話はしっかりしています。
最終的にクラバートはこの水車場の親方(なかなか怖い人です。)と対決するわけですけどそこまでにいたる経緯がなかなかいいです。一人死に…二人死に…という感じでジワジワと迫りくる恐怖とまでは言わないけど不気味さ、これがいいんです。
あと、一人の少女の存在。まぁ王道といば王道なのですけど少女の愛と助けがあるわけですが決してわざとらしすぎもなかったのでいいかな?
それと不気味で異様な設定なのに何故か『かなり正統派ファンタジー』という感じがしました。
Author&WebMaster : Azusa | 2003年5月12日 | ファンタジー
オズの魔法使い
The Wonderful Wizard of OZ
ライマン・フランク・ボーム 著 佐藤 高子 訳有名なオズの魔法使いです。昔、ミュージカルとアニメで見たのですけど小説で読み直しです。カンサスに住んでいたドロシーはある日、竜巻で家ごとオズの国の東に飛ばされてしまいます。ドロシーはカンサスへ帰るために第魔法使いのオズに会いに出かけます。その旅の途中でかかし、ブリキの木こり、
臆病なライオンと出会い、それぞれの願いをかなえてもらうためにオズの住むエメラルドの都へと旅します。
東の魔女、西の魔女、南の魔女、かかし、ブリキの木こり、ライオン、いずれも色々な本で引き合いにだされるほど有名ですね。
不思議な国へ行った少女という点では不思議の国のアリスと似ていますがこちらの方が話がわかりやすく同じ不思議さでも違和感なく受け入れられる点では私的には不思議の国のアリスよりもこちらの方が
好みです。多分アメリカでできた話という点で、話がこざっぱりとして明瞭にできていてヨーロッパの方のファンタジーよりも暗さやグロテスクさがないからでしょう。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年11月24日 | ファンタジー
不思議の国のアリス
Alice's Adventures in Wonderland
ルイス・キャロル 著 矢川 澄子 訳はい、超有名なお話ですね。値段が安いのと持ち運びに便利な文庫版というので新潮社版です。しかしこの超有名な話をディズニーのアニメのでしか見たこと無かったのです。…で、感想、
ディズニーのやつと全然ちが?う!
です。
まぁあれは仕方ないですね。ディズニーはリトルマーメイドでも海の泡になって消えるはずの人魚姫は超ハッピーエンドになってるし。じゃなくて、不思議の国のアリスの感想でしたね。
この話は不条理さとかなり屁理屈な言葉遊びで成り立っております。
『私は大きくなったり小さくなったりするから私じゃないの』という感じなんですよね。まぁ、自分が何者かなんていうのは普通の人間でもわかったものではないのですけどね。ただ昨日までは平凡な日々だったのに今日はとてもへんてこりんだで普通じゃなくて、自分は大きくなったり小さくなったりするからこれは自分ではない…というちょっと考え込みたくなるようなことをアリスはいいます。そう、不思議の国のアリスってむちゃくちゃのようでいろいろと考え込みたくなる話なのです。兎の穴に落ちてからアリスは自分が何者か見失って一人でどんどんとわけのわからないところにわけのわからないことになっていって自分が何者かわからなくなるのは本当のところは怖い話なのかもしれないです。
それと、この話、夢想とも呼べる雰囲気がありますけどある種、何かしら不気味さというのがある気がします。アリスが『私をお食べ』と書かれたものをいくら毒とかかれてないからといって口にするのはあまりに無用心というか妙です。まぁ妙なことがまかり通る国なのですけど。でもアリスの行動自体が不可解な感じがしますね。幼いから…というのもあるのかもしれませんが。大人になってから読むととても妙な気分になってしまいますね。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年11月20日 | ファンタジー
崖の国物語1 深森をこえて
Beyond the DeepwoodsThe Edge Chronicles 1
ポール・スチュワート 著 クリス・リデル 絵 唐沢 則幸 訳崖の国物語の一巻です。これは美麗イラストが満載の本でとても読みやすかったです。
トウィッグは崖の国の深森の中のウッドトロル族の村で育った十二歳の少年。ある日、もうすぐウッドトロル族で成人になる歳になったトウィッグは母親に自分は実の子でなく小屋の前に捨てられていた子だと教えられます。そしてその日からトウィッグは数奇な運命に弄ばれながら深森の中を彷徨うことになります。
この本はイラストと文との兼ね合いがいいです。いろいろな生き物…トロル、ゴブリン、クマ、フワフワの変な生き物、芋虫のような生き物や人を食う木など…そしてそんないろいろな生き物と出会って主人公のトウィッグは自分探しともいえる旅をして最後に実の父に会うのだけどそこまでの道のりがまた険しい。優しくされたと思ったらゴミのように放り出されたり、見捨てられたり、ペットにされたりとかなり悲惨な目に合います。眠るのだって変な動物につかまったりと大変。そんな中で自分の居場所、自分とは何かと探していくトウィッグの姿がけなげだけど応援したくなります。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年11月17日 | ファンタジー




