野に生きる花たちで読んだ本
旅立ちの花園 野に生きる花たち
IN TO THE GARDENThe wildflowers
V.C.アンドリュース 著 井野上 悦子 訳野に生きる花たちシリーズの完結編。集団セラピーを受けてそれぞれ癒された四人の少女たちの話を野に生きる花たちシリーズの四巻目の主人公のキャットが語ります。
集団セラピーを受けた四人の少女、ミスティー、スター、ジェイド、キャットはそれぞれ自分達の境遇や過去を話して共感しあい、互いに癒されて四人の間には友情が芽生えます。四人は集まり、自分達のことをOWPといい、互いに助け合う姉妹のような絆を結びます。そんな四人の中でキャットは潔癖の母親と暮らしていました。キャットには出生の秘密がいくつもあってOWPはそのキャットの出生の秘密を明らかにするのが重要だといいキャットは自分の家でその秘密を探ろうとします。そんな中、(キャットの母親…実は母親でなく自分の姉だったのだけど)が居間で急死してしまいます。キャットは早速四人の仲間に連絡をしましたが、キャットは児童相談所で父親が家に近寄るのを禁じられていて(父親に虐待されていたから)そして親戚とはほとんど付き合いがなく、祖母(実は実の母)や祖父はすでに死んでいて里子にだされてしまうというのではないかというのをキャット以外のOWPメンバーは恐れ、ついにとんでもないことをしてしまいます。
野に生きる花たちのシリーズの最終巻は前の巻と違い、スリル、サスペンス、ついでにちょっぴりロマンスの入った楽しい話になってます。前の巻までは四人の少女はそれぞれ悩みがあり、苦しんでいましたがこの巻ではそれぞれ癒され個性を発揮して少女らしいたのしい展開を繰り広げます。ショッピング、メイクやヘアスタイルで大変身!仮装に男の子達とのドキドキのパーティー、そんな中に忍び寄る暗い影、謎色々なことがてんこもりで楽しいです。中でも一番印象に残ったのは今まで男の子と付き合ったことのないキャットがスチュアートと出会って繰り広げるほろ苦いロマンス。結局あの二人は…どうなっちゃったの?という余韻を残して(別れたか別れてないか微妙なところで終わったので)終わった後も色々想像をめぐらせることのできる話で楽しくもあり、切なくもあり、感銘もちょっぴり受けたりしました。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年12月27日 | 野に生きる花たち
キャット 野に生きる花たち
CAT The wildflowers
V.C.アンドリュース 著 宇野 千里 訳V.C.アンドリュースがヤングアダルト向けに書いた野に生きる花たち第四弾。主人公は他の巻の少女たちの話を聞いて常にびくびくおどおどしていた少女キャットです。
キャットは肌を露出するのも大人になって生理があるもの罪だと異常なほどの潔癖症の母と幼いキャットの胸を触ったりなでたりするような性癖のある父親に育てられた少女。キャットは人よりも体の成長が早く、胸も人よりも大きくなりはじめたりして母親はそれが汚らわしいことだといわんばかりの態度。友達も散々吟味をしてはほとんど作るなといわんばかり。キャットはいつも孤独で監禁されているような生活をしていた。一方父親はそんなキャットを優しくしてきっと君はステキな女性になる、僕のかわいい娘といっては母親に内緒でセクハラをしていた。キャットはほとんど自分を優しくしてくれる人がいないのでセクハラしているのにも関わらずそんな父親が好きだった。ある日、キャットの学校でダンスパーティーがあり、そのためのドレスが欲しかったが母親は肌の露出を気にしてとてもまともとはいえないドレスを買うが父親はそんなキャットに今風のステキなドレスを買う。そしてダンスパーティーのレッスンと称してさまざまな性的な行為を繰り返し、そしてついに最後のレッスンといい、キャットは父親に犯されてしまう。
ヤングアダルト向けの話…らしいけどこれは…大人向きにするかしないか迷った。はっきりいってまともじゃない。でもありえない話でもない。こういう父親に性的虐待を受ける話は…表沙汰にはならないけどかなりある。当然本人は言うわけがないし虐待した人も言わないが結果的に致命的トラウマになるケースがあるらしい。まさにそれそのもの。そして性的虐待を受けながらも友達もおらず、潔癖の母親には違う意味で虐待を受けていて愛情なんていうものを知らなかったから彼女は身近で優しくしてくれる父親に意を持ってしまっていたと思うが…しかしやはり異常なことには変わりは無いですね。現代にある水面下には決して現れない残酷な現実というのを見とれたと思います。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年12月27日 | 野に生きる花たち
ジェイド 野に生きる花たち
JADEThe wildflowers
V.C.アンドリュース 著 バーベラ あきこ 訳はい、野に生きる花たちシリーズ三弾。主人公はビバリーヒルズに住む裕福な少女ジェイド。
ジェイドは裕福な家庭になに不自由なく育った少女。両親は共働きで母はキャリアウーマンで化粧会社の幹部。父は有名な建築家。ジェイドの両親は育児、家計などを個別に管理して相手に干渉しないというかちかちの生活をしていた。そんなある日、ジェイドの両親が離婚する話が持ち上がった。ジェイドの親権問題で泥沼の争いがはじまり、両親とも口論が絶えず、離婚協議で裁判官や弁護士、心理士などを介してジェイドにどちらがいいかということを選ばせようとする。ジェイドに互いの悪口などを吹き込んだり罵ったりして次第にジェイドは疲れていき、ついにジェイドは家出をしてインターネットのチャットで知り合った人の元へと向かう。しかしその少年の家は実はとんでもないところだった。
ビバリーヒルズで裕福に育ったという事を覗けば現実にありそうな骨肉の争いですね。子供を戦利品といわんばかりに争う両親は真に子供のことを思っているとはとても思えない。そしてインターネット上で出会った少年。はっきりいって現実にありそうな感じ。インターネットのチャットで出会って実際あった相手がとんでもない人ということはよくある話です。この話ではジェイドを監禁して玩具かお人形のようにしようとする少年はまさに…現実にありそう…というかあるかもしれない。
最後に疲れ果てたジェイドは睡眠薬を大量に飲んでしまうのだけど…これもよくある話ですね。病院の緊急外来で睡眠薬を大量服用して胃洗浄する人って一日に何人もいるらしいですよ?やる理由は一錠飲んで二錠飲んで…というふうになんとなく現実逃避したいみたいな感じで飲んでいく人もいれば自殺するつもりで飲む人もいますけど。
悩める人って辛いですねぇ。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年12月27日 | 野に生きる花たち
スター 野に生きる花たち
STARThe wildflowers
V.C.アンドリュース 著 野原 房 訳V.C.アンドリュースがヤングアダルト向けに書いた野に生きる花たちのシリーズ2弾。前はミスティーという少女の話でしたけど今度はスターという少女のお話。
スターは黒人でとても貧しい少女。幼い頃弟と両親と暮らしていたが両親が不仲でしかも母親が酒浸りという家庭でそのうち、父親が子供を残して失踪。母親と暮らしていたが母親が自分の恋人を家に連れ込んでからスターの生活は精神的にもますます苦しくなっていった。ほとんど育児放棄している母に代わって学校にロクに行かずに弟の面倒を見ていたスターだったけどそのうち母親に捨てられて祖母の家に暮らすことになる。そしてそんな中、スターは学校でスティーブという少年と出会う…。
前にNHKスペシャルあたりでアメリカなどでアルコール中毒の両親にほとんど面倒を見てもらえずに捨てられたのと同然な子どもたちのことを取り上げてましたけどまさにそれそのものでしたね。
アメリカの低所得者層の現状というのが見ることができます。
あと年ごろの少女の悩みみたいなもの(生理とかなんとか)で悩む姿とか、こういうのは私があんまり本を読んで無いせいかもしれないけど他のではあんまり見かけなかったですねぇ。
…で、終りの方でなんとなく幸せを掴みそうになったスターだけど悲惨なことが起るのが…
…あまりにあんまり。ちょっとは幸せにして欲しかったけどハッピーエンドな話なんてそうそうないですね。きっと。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年12月20日 | 野に生きる花たち
ミスティー 野に生きる花たち
MISTYThe wildflowers
V.C.アンドリュース 著 馬場 ゆり子 訳V.C.アンドリュースの野に生きる花たちシリーズ1作目です。
最近ずっとファンタジー(と時々SF)を読んでいたのですけどちょっと毛色を変えてロマンス。
最初、ステキな恋愛劇だと思ったけどこれは違います。
家族に問題を抱えた四人の少女たちがドクター・マーロウの元で集団セラピーを受けることになった。最初の話し手はミスティー。
ミスティーはビバリー・ヒルズで何不自由なく育ったが、母がセックス恐怖症と若さを保つためといってピルを飲んで二人目の子供を作りたがらなかったのが父親にわかり、そのため父親が浮気。そして両親の間に亀裂が入った。そしてそのうちに両親が離婚。そんな中、ミスティーはすっかり精神的にバランスを崩して友達とは疎遠になり、そんな落ち込んでいるミスティーの心の隙をつくようにチャールズ・アレンが自分も両親が離婚しそうだといって近づいてきて、それが実は真っ赤な嘘だとわかり、ますます落ち込む。そんな中、ミスティーは不良少年のロイドと出会う。二人は官能に溺れながらそのうち、ロイドが学校で問題を起こし、退学になり、そしてロイドとミスティーは家出を決意する。
数々の家庭の問題、父親の浮気やセックス恐怖症の母のためにミスティー自身もそうかもしれないという不安。ミスティー自身に抱えきれないくらいの問題や悩みや不安のために自分自身を見失い、そして出会うチャールズもそんなミスティーを利用しようとしていたり、優しく接してくれる問題だらけのロイドともなってはいけないような関係に陥ったりする最中の切なさや悩みの苦しさ、寂しさや人恋しさなど同世代もしくは私くらいの世代の人には共感を持てる部分があるのではないかと思いました。
私的には全然違う話と思って多いに期待して読んだのだけどいい意味で裏切られて実のところとてもよかったと思いました。
Author&WebMaster : Azusa | 2002年11月30日 | 野に生きる花たち




